助けあいジャパン

November 19, 2011

インテリジェンス後進国に忸怩たる思い

交渉術(佐藤優、文春文庫)。この人がただもんでないことは、彼が逮捕されて、外務省を去ってから発表したの数々の著作や記事、対談などでの発言で感じていたけれど、今回文庫本で出たこの本を読んで、その感を新たにした。やっぱりスゴイ人だ。逮捕当時はこの人にしても鈴木宗男氏にしても、日本外交をダメにした極悪人的な捉えられ方をされていた。当時のおバカなマスコミの報道は、完全に外務省からの情報を鵜呑みにしたもので、それに惑わされていたのだと思う。こういうメディア情報のリテラシーってレセプターの問題なのか。自らを振り返って反省しきり。この本を読んでいると、日本の貧弱なインテリジェンス(諜報)システムも、彼のような優秀な人材がいれば「世界標準」に変わっていたかもしれないのに、それが結局は出来なかったことに対して忸怩たる思いがする。省益とか国益とかって言葉にすること自体がおかしいのだけれど、結局はどんな組織でも人間が動かしている訳で究極的には「人間のエゴ」で動いている事になる。獄中に入った彼と鈴木宗男の蹉跌の原因のひとつとして、「他人の嫉妬を過小評価したこと」という記述は当たっているんだろう。北方領土問題の進展は当分は望めない状況になってしまっているのは事実だし、こういう世の中だからこそ「清濁併せ持つ政治家の丹力」が今こそ必要なのだろうけどね。

彼が言うように、これは「失敗」の物語で、自分たちに都合の悪いことは決して書いていない。真実はコインの表と裏のようなものなのだと思う。この文庫本版の巻末にある東日本大震災直後に出された彼の言説やアドヴァイスが、じつに的確なものであることに感嘆した。

午後から職場の理事会@池袋サンシャイン文化会館。思わず笑っちゃうくらい「昭和の香り」のするビル建築とわさわさとした人混みに「アジアの雑踏」をみた。まるで1980年代にタイムスリップしてしまったみたいな気持ちになった。あと50年頑張れば、ここは世界遺産登録だわ/W。

帰路、ジムでがっつり1200m泳いでから、かみさん&さとちゃんと「月の音」にてご飯。創作おでんに舌鼓。ここんちの大根はすごいっ!感激してお代わりしてしまった。




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