助けあいジャパン

June 24, 2011

今だから笑って言える時代のこと

毎年恒例の医療連携の会@自由が丘。もう14回目になる。改めて時の流れの速さに驚く。

開院当初は文字通り「オープンホスピタル」として病院の待合ロビーで研究会や講演会をして、連携医(アテンディング・ドクター)と語り合い、病院の紹介や連携の組織作りをしたものだ。規模も徐々に大きくなり、近くの中華レストランでやるようになってから、もうかなり経つ。7ー8年か。今でこそ笑い話だけれど、開院当初は医師会からバッシングを受けて、日々気苦労が多かった。それに突然やって来た「正体不明のよそ者」に対する地域の厳しい目。ヘンな噂を立てられたり。当時僕は40歳になったばかりで、自信過剰でコワいもの知らずだったので、院長などというストレスフルな仕事を引き受ける気になったんだろう。ワカゲノイタリともいえるし、まさしく人生における「縁」なのだけれど。

自分たちにできることを真摯に正直に心をこめて診療すること(だってソレしかないじゃないか!)、それを日々継続することにより、少しづつ少しづつ周囲の信頼感を熟成していったのだ。そう、まさに「信頼を熟成」すること。「戦略」というより「そうせざるを得ない状況」だった。数年経ち、僕自身医師会の仕事に関与するようになって、地域の医療を俯瞰的に観られるようになった事も大きいと思う。

日本中の小規模の急性期病院が厳しい医療情勢の中で四苦八苦し、ばたばた倒産や廃院する中で、僕らはチームワークとフットワークだけを武器にして何とかサヴァイヴした。もちろん、病院グループ(TMG)からの支援なくしては成し得なかったことは明らかだ。そして、あっという間に14年。医師としての仕事は現在進行形で過去を振り返って、まだ「総括」する歳ではないけれど、小さいながらも組織をとりまとめる立場としては、あの辛い時期があったから今の自分(と「場」としての病院)があると、常々自戒することにしている。
Powered By Blogger