助けあいジャパン

December 18, 2010

鎚くじらのタン&ユニクロの奇跡の軌跡。

土曜日午後。鰻割烹の自由が丘「八沢川」にて昼ご飯。誰でも「鰻はここんちが最高!」っていう鰻屋さんがある。僕の場合、石切橋の「はし本」、本郷の「石橋亭」、最近では上野毛の「神田きくかわ」。でも職場の近くで時々通っているうちに、八沢川の鰻重が定番になった。タレがキリッとしていて「だら甘くない」のが好き。その鰻重が出る前にサーブされる「柚子胡椒味の鰻の蒸し汁のお吸い物」を頂いていたら(後で出る「きも吸い」とは別)、佐々木オーナーから「鎚クジラ」の「タン」の2枚の薄切りをサービスされた。この店は、鰻だけでなく割烹料理でもオーナーのこだわりがあって時々美味しいものを出してくれるのだ。彼曰く、あまり普通では食べられない「珍味」だそうな。これを料理するのに3日かかるらしい。へーーっと、酢橘を絞って頂くとトロリと一瞬で蕩けた。すげーなコレ。薄い塩味で風味は確かに「鯨」なんだけれど、これはその「タン」。今まで口にした事がない肉の食感だった。こんな「脂」があるんだ。一緒にサービスで饗された「カブのお漬け物」にはいつも感激する。絶妙な塩加減の「甘さ」が素晴らしい。鯨>かぶ>鯨>かぶのローテーションがエンドレスになりそうだった。鰻重はもちろん美味しく頂いて大満足のランチ。

帰路、ヒートテックのシャツと靴下を購入するべく青葉台のユニクロへ。週末のセールで大混雑(だって安いんだもん)。ユニクロが出始めの頃には、世の中の多くの人にとって「どうせこの値段なんだから品質の悪い安物なんだろう」という偏見があった。でもその時期に大ヒットしたフリースの品質の良さと値段のギャップには皆驚嘆した。「へー。わりといいじゃん」。その後様々な大失敗と大成功の波を経て、柳内さんの非凡な経営戦略で今やユニクロは大企業となった。その奇跡の成功への軌跡を僕らは消費の当事者として体験した。

ユニクロの現時点での僕の印象:
①他の商品とは頭一つ抜けるくらいの圧倒的な高品質の商品、コストパフォーマンスの良さ。顧客のほとんどが「満足」して買い物をしている、という事実。
②ちょっと前までは「ユニクロを着ている」>「安い買い物」>ファッションをケチっている>「ちょっとハズカシい」というブランドイメージがあった。皆一家で同じ物を着てたり(笑)。
③今やユニクロのブランドは、従来の「ブランドの付加価値だけに頼っている老舗ブランド」とは、「一線」を画している。これは世界のファッション界の潮流なんだろう。老舗ブランドの「実のないもの」は淘汰される時代になった。今の時代、わざわざそんな商品に多額のお金を払うのは、劣等感に塗れた成金ばかりだろう。
④今日、店内を回っていて、店を訪れた誰もが「おっ、これいいなあ、買おう!」って思う高品質の商品を周到なマーケティングをもとに多層的に配置しているのに驚いた。この厚みは、かなりの進化だと思う。まとめ買いしたくなるラインナップと商品配置。

車を買う事を考えた時に、もうフェラーリは要らない(少なくとも僕は、だけれど<笑)。リーズナブルな性能と価格のトヨタに乗ったほうがずっとかっこいいい時代になっている。フェラーリが本当にに好きならば、そしてそれに見合う対価を払えるならば、好きにすればいいと思う。これは芸術の領域であり、「趣味の世界」だから、その判断が正しいとか間違っているとか、他人がどうこう言うのはフェアじゃないよね。好きにすればいい。でも日常生活する中で、そのブランドにしか作れないもの以外は、ユニクロ的商品で必要にして十分なものが手に入る。つまり、従来とは逆で「こんなに安いのに、素晴らしい品質である事がわかっている、という事がカッコいい」というイメージだよね。これは、ただ単に消費者が賢くなったってことじゃなくて、そういう方向に世の中を変えた企業サイドの努力の結果なんだろう。やっぱ、すげーな/

そんなこんなでユニクロってすげーすげーと呟きつつ、帰路ジムへ。ちょっと風邪気味だったので軽めに10本500Mを流す。
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