助けあいジャパン

November 23, 2010

すごい女性の話

大正の初めの頃に生まれた彼女が、昭和初期の第二次世界大戦前に、日本の女学校を卒業してからアメリカ東海岸の名門女子大Seven SistersのWellesley Collegeに入学したことはもの凄いことだ。もちろん日本人で初めての学生。彼女の実家はS学園(ちなみに、じょうじ君はそこの大学の卒業生)を創立した一族で、たぶん大富豪だったんだろう。明治生まれの彼女の母親は誇り高く、大変厳しい方だったという。そりゃそうだ、今の時代で喩えれば、月にある名門女子大に娘を入学させるくらいの肝っ玉と財力があるわけだから。今でもWellesleyは知る人ぞ知る名門女子大で、アメリカの女性エリートのトップの人たちが行く学校。Wellsleyの卒業生はHarverdやMITやYaleなどにほぼ無条件で入れる資格がある。かのヒラリー・クリントンも卒業生の一人。彼女は日本の同窓会(皆スゴい女性達なんだろうな)の名誉会長なんだそうな。

昭和初期に海を渡った彼女は、文化や習慣の違いや人種差別などのもの凄いストレスの中で頑張ったんだと思う。今の時代の甘ちょろい留学とは全然違う厳しい生活だったんだろう。その後の第二次世界大戦、戦後の混乱の中で生き抜き、平成、そして人生の黄昏。波瀾万丈の生涯。彼女の人生で小説が書けそうだ。

その彼女HMさんが、今朝眠るように静かに息を引き取った。享年95歳。僕はその人生の最期のほんのわずかな時間(半年くらい)しか彼女と会えなかったけれど、背筋が伸びて、心の芯の通ったチャーミングな方だった。ああいう人をホンモノのプライドと品格のある女性というんだろう。そんな素晴らしい方とお会いできた事を感謝しつつ、心をこめてお別れをした。

合掌
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