助けあいジャパン

February 16, 2010

Well done, NHK!

その①
NHKプロフェッショナル仕事の流儀。この番組って当たり外れがあって、時にNHK特有の思い込みと誇大な表現が「鼻につく」こともあるけど、多くは、へーーって僕ら一般人にとって驚きだけじゃなくて、気付きと勇気を与えてくれる、いかにもNHK的な番組だと思う。
今夜の「生命科学者の上田泰巳さん」の回はすごく面白かった。特に印象的だったのは
①素晴らしい頭脳とそれを育てた人たち。正統派の天才。
②天才の彼にとって、テストの偏差値が高いのはアタリマエなのだ。偏差値が高いから秀才だ、ではない。そういう俗人のレベルを頭抜けている天才。さらに感心したのは、その頭脳を正しく使う「感性」を育てた環境。これが一番素晴らしい。高校の恩師とのドラマ。東大医学部での教育。卒業後の様々な経験。
③もちろん本人の向上心と探究心。もの凄い努力をした人なんだろう。超多忙な中で自分の立ち位置をしっかりともっている。
④それに応えて、32歳という若い彼に世界最高水準の研究環境を惜しみなく与えた人たち。日本のシステムもまんざらでない。
⑤そして、その結果を出すという、彼とそのスタッフのプロとしての生き方。淡々と、そして虎視眈々と。
今までメディアで上田さんの名前だけを知っていたけれど、その根底にはいろんなドラマがあったんだ、と素直に感激した。

その②
それにつづく「爆笑学問」
東大の東京大学先端科学技術研究センターの教授の福島智さん。バリアフリー研究者。本人は病気で9歳で失明、その後18歳ですべての聴力を失った人。盲で聾という二重苦。彼の母親(これもすごい!)が考案した「指点字」でコミュニケーションをとって勉強して東大の教授になった。健常人には想像を絶する努力があったんだろう。そして一番僕が感激したのは、べつにそれを誇るでもなく淡々と伝える。ユーモアもりもりで下ねたにもすぐ対応する。すごい人だ。障害って何だ?って考え続けた人なんだろう。そしてその彼を東大の教授として迎えた日本の研究システム。これも素晴らしい。番組的には爆笑問題の(一般目線の)正直な視点と小気味よい機転がうまく機能している感じ。

いいんじゃない、NHK。「プロジェクトX」が、昭和的なものの礼賛(つまり懐古的お涙頂戴)番組だとすれば、この「プロフェッショナル仕事の流儀」は平成的で、その人の過去と現在を見せる(つまり未来礼賛エンタ−テインメント)番組だと思う。もちろん後者のほうが好きだな。「爆笑学問」もそのままの路線で頑張ってね。
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